借地借家法・民法
賃貸借の終了と解除
債務不履行解除、催告の要否、信頼関係破壊の考え方を整理します。
要点 5件・確認問題 6問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
転貸借と原賃貸借の終了
賃貸人と賃借人が原賃貸借を合意解除しても、転借人の地位は影響を受けず転貸借は存続する(613条3項本文)。例外は、合意解除の当時すでに賃借人の債務不履行による解除権が賃貸人に発生していた場合である。これに対し原賃貸借が賃借人の債務不履行により解除されたときは、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に転貸借は履行不能により終了する。賃貸人は転借人に催告や代払いの機会を与える必要はない。
覚え方合意解除は転借人に効かない、ただしすでに解除権があったときは別
01賃貸借の終了と解除の重要暗記項目
転貸借と原賃貸借の終了
賃貸人と賃借人が原賃貸借を合意解除しても、転借人の地位は影響を受けず転貸借は存続する(613条3項本文)。例外は、合意解除の当時すでに賃借人の債務不履行による解除権が賃貸人に発生していた場合である。これに対し原賃貸借が賃借人の債務不履行により解除されたときは、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に転貸借は履行不能により終了する。賃貸人は転借人に催告や代払いの機会を与える必要はない。
覚え方合意解除は転借人に効かない、ただしすでに解除権があったときは別
ひっかけ注意合意解除でも転貸借が当然終了するとする誤り、債務不履行解除で転借人への催告が必要とする誤りが狙われる。
建物の滅失と賃貸借の終了
建物の全部滅失や、滅失に準じる程度の朽廃・損壊により使用収益が不能となったときは、当事者の帰責事由の有無を問わず賃貸借は当然に終了し、解除の意思表示は不要である(616条の2)。全部滅失後は明渡しを要しないため、その時点で敷金返還債務が発生する。これに対し一部滅失の場合は賃料が当然に減額され、残存部分だけでは目的を達することができないときに賃借人が解除できる(611条)。
覚え方全部だめなら当然終了・意思表示不要、一部なら当然減額と借主の解除
ひっかけ注意「解除の意思表示が必要」とする誤り、賃貸人に帰責事由がある場合だけ終了するとする誤りが狙われる。
使用貸借と賃貸借の違い
使用貸借は無償で借主個人との人的関係に基づく契約であるため、借主の死亡によって当然に終了する(597条3項)。貸主が死亡しても終了しない。これに対し賃借権は財産権であり相続される。相続人が複数いる場合、賃借権は相続人全員に不可分に帰属し、賃料債務は不可分債務として各相続人が全額の支払義務を負うと解されている。使用貸借には借地借家法の適用がない。
覚え方ただで借りたら死んだら終わり、お金を払って借りたら相続される
ひっかけ注意使用貸借が「貸主」の死亡で終了するとする誤り、賃借権が相続されないとする誤りが狙われる。
賃料不払と契約解除
賃貸借は継続的契約であるため、催告して相当期間が経過しても不履行が軽微であれば解除できない(民法541条ただし書)。判例上、賃料不払を理由とする解除には信頼関係の破壊が必要とされ、実務では3か月程度以上の滞納が一応の目安とされる。滞納期間だけでなく、催告への対応、過去の支払状況、賃借人の態度なども総合的に考慮される。1か月の滞納で直ちに解除することは通常認められない。
覚え方一か月では切れない、目安は三か月と信頼関係の破壊
ひっかけ注意「催告さえすれば解除できる」とする誤りが定番。無催告解除特約があっても信頼関係が破壊されていなければ解除できない。
無催告解除と信頼関係破壊
信頼関係破壊の法理は双方向に働く。①不履行が軽微であれば催告をしても解除できず、②信頼関係が著しく破壊され催告をしても関係の修復が期待できない場合は無催告で解除できる(最判昭43.11.21)。無催告解除特約は、催告をしなくても不合理でない事情がある場合に限り効力を持つと解され、特約があれば常に無催告解除できるわけではない。用法違反、暴力行為、無断改築なども無催告解除が認められうる事由である。
覚え方信頼関係の破壊は両刃、軽微なら解除不可・著しければ催告不要
ひっかけ注意無催告解除特約があれば常に無催告解除できるとする誤りが狙われる。特約は万能ではない。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1誰に・何に適用されるか
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2原則と例外を分ける条件
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3期限・手続・効果の組み合わせ
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 内容の基準日
- 2026年4月1日
- 復習方法
- 要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
賃貸借の終了と解除の○×一問一答
1/6問解答 0・正解 0
借地借家法・民法重要度 A頻出度 13/24(編集部の目安)
賃料不払と契約解除
賃借人が1か月分の賃料を滞納した場合、賃貸人は相当の期間を定めて催告したうえであれば、直ちに賃貸借契約を解除することができる。
分野・重要度をしぼって解く
賃貸住宅管理業法・借地借家法・民法・管理実務・建物・設備・賃貸経営の5分野から選べます。