借地借家法・民法
賃借人の死亡と相続
賃借権の相続、同居者の保護、居住用建物の承継を整理します。
要点 5件・確認問題 4問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
賃借人の死亡と居住の承継
居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、婚姻又は縁組の届出をしていないが事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者は、賃借人の権利義務を承継する(借地借家法36条1項)。ただし相続人なしに死亡したことを知った後1か月以内に賃貸人へ反対の意思を表示すれば承継しない。承継した者は敷金に関する権利義務も引き継ぐ(同条2項)。事業用建物には適用がない。
覚え方相続人ゼロと居住用と内縁の同居者で承継、いやなら一か月以内に反対の意思表示
01賃借人の死亡と相続の重要暗記項目
賃借人の死亡と居住の承継
居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、婚姻又は縁組の届出をしていないが事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者は、賃借人の権利義務を承継する(借地借家法36条1項)。ただし相続人なしに死亡したことを知った後1か月以内に賃貸人へ反対の意思を表示すれば承継しない。承継した者は敷金に関する権利義務も引き継ぐ(同条2項)。事業用建物には適用がない。
覚え方相続人ゼロと居住用と内縁の同居者で承継、いやなら一か月以内に反対の意思表示
ひっかけ注意事業用建物にも適用されるとする誤り、反対の意思表示の期間を3か月とする誤りが狙われる。
賃借人の交替と敷金
賃借権が適法に譲渡された場合、旧賃借人が差し入れた敷金は新賃借人に当然には承継されない。旧賃借人の未払賃料等を控除した残額が旧賃借人へ返還され、新賃借人は改めて敷金を差し入れることになる。当事者が合意すれば承継させることも可能である。賃貸人が交替する場合には敷金返還債務が当然に譲受人へ承継されるのと結論が逆になる点が繰り返し問われる。
覚え方借主交替は敷金を精算して返す、貸主交替は敷金がついていく
ひっかけ注意賃借人が交替しても敷金が当然に新賃借人へ引き継がれるとする誤りが定番である。
賃借人の修繕権
賃借人が自ら修繕できるのは、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき、②急迫の事情があるときの2つの場合に限られる(607条の2)。急迫の事情があるときは通知をしていなくても修繕できる。支出した費用は必要費として直ちに償還を請求できる。常に賃貸人の承諾が必要というわけではない。
覚え方借主が直せるのは通知して待っても直らないか急迫の二つだけ
ひっかけ注意常に賃貸人の承諾が必要とする誤り、急迫の場合にも通知が必要とする誤りが狙われる。
賃借人の用法遵守義務と善管注意義務
賃借人は、契約又は目的物の性質によって定まった用法に従って使用収益しなければならず(616条・594条1項)、目的物を善良な管理者の注意をもって保管する義務を負う(400条)。ペット飼育禁止や事務所使用の禁止に反した場合は用法遵守義務違反となるが、解除が認められるには信頼関係の破壊が必要とされる。用法違反による損害賠償の請求は、賃貸人が返還を受けた時から1年以内に行使しなければならない(622条・600条1項)。
覚え方用法違反でも解除は信頼関係破壊まで必要、請求は一年以内
ひっかけ注意用法違反があれば直ちに解除できるとする誤りが狙われる。逆に一切解除できないとするのも誤りである。
相続人がいる場合の内縁配偶者
相続人がいる場合には借地借家法36条は適用されず、賃借権は相続人に承継される。同居していた内縁配偶者は相続人が承継した賃借権を援用して居住を継続でき、賃貸人からの明渡請求は権利の濫用として認められないとするのが判例である。相続人からの明渡請求も権利の濫用となりうる。なお賃借人の死亡により個人根保証の元本が確定するため、以後発生する賃料は保証の対象外となる。
覚え方相続人がいれば三十六条は使えない、内縁は相続人の賃借権を援用して住み続ける
ひっかけ注意相続人の有無を無視して36条を適用させる出題が定番。内縁配偶者が保護されないわけではない点が違いである。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1誰に・何に適用されるか
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2原則と例外を分ける条件
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3期限・手続・効果の組み合わせ
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 借地借家法
- 内容の基準日
- 2026年4月1日
- 復習方法
- 要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
賃借人の死亡と相続の○×一問一答
1/4問解答 0・正解 0
借地借家法・民法重要度 A頻出度 11/24(編集部の目安)
賃借人の交替と敷金
賃借人が賃貸人の承諾を得て適法に賃借権を譲り渡したときは、賃貸人は敷金の残額を旧賃借人に返還しなければならない。
分野・重要度をしぼって解く
賃貸住宅管理業法・借地借家法・民法・管理実務・建物・設備・賃貸経営の5分野から選べます。